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寒い汐風が、蒼い皮膚を刺すように沁透った
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やがて仄暗い夜の色が、縹渺とした水のうえに這ひろがって来た。そしてそこを離れる頃には、気分の落著いて来たお島は、腰の方にまた劇しい疼痛を感じた。
暗くなった町を通って、家へ入って行った時、店の入口で見慣れぬ老爺の姿が、お島の目についた。
お島は一言二言口を利いているうちに、それがつい二三日前に、ふっと引込まれて行くような射倖心が動いて、つい買って見る気になった或賭ものの中った報知であることが解った。
「お上さんは気象が面白いから、きっと中りますぜ」
暮をどうして越そうかと、気をいらいらさせているお島に、そんな事に明い職人が説勧めてくれた。秘密にそれの周旋をしている家の、近所にあることまで、彼は知っていた。
「厭だよ、私そんなものなんか買うのは……」お島はそう言って最初それを拒んだが、やっぱり誘惑されずにはいなかった。
「そんな事をいわずに、物は試しだから一口買ってごらんなさい、しかし度々は可けません、中ったら一遍こきりでおよしなさい」職人は勧めた。
「何といって買うのさ」
「何だって介意いません。あんたが何処かで見たものとか聞いた事とか……見た夢でもあれば尚面白い」
それでお島は、昨夜見た竜の夢で、それを買って見ることにしたのであった。
意いもかけない二百円ばかりの纏まった金を、それでその爺さんが持込んで来てくれたのであった。
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04/22 00:59
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